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ラストレースへの思い -短距離ブロック4年生、意地と誇りの走り-
9月12日から14日の3日間、京都府京都市のたけびしスタジアム京都で、秩父宮賜杯第78回西日本学生陸上競技対校選手権大会(西日本インカレ)が行われました。
多くの4年生部員の引退試合となった今大会。第3弾の今回は、男子短距離ブロックの、山田晃佑選手(やまだ?こうすけ/スポーツ科学部4年)、尾澤侑真選手(おざわ?ゆうま/スポーツ科学部4年)、横山大空選手(よこやま?そら/スポーツ科学部4年)、川上凜太朗選手(かわかみ?りんたろう/スポーツ科学部4年)の4人に密着しました。
初日の100m予選、準決勝に出場したのは、山田選手と尾澤選手。共に危なげなく通過し、見事翌日の決勝進出を果たします。幸先の良いスタートをきった2人ですが、尾澤選手は「短距離の後輩たちがなかなか上手くいかなかったので、最高学年の自分たちが背中を見せていかないといけないと思いました。まずは予選を突破できて良かったです」と話します。今大会で競技引退するという尾澤選手は、頼もしい背中を見せます。

つづく2日目、まず男子200m予選に横山選手、川上選手、初日の100mにも出場した尾澤選手が登場します。こちらも見事全員通過し、翌日の準決勝進出を決めました。
実は2日目の朝、男子短距離ブロックの4年生4人で話す機会があったそうです。「4人全員、みんなで決勝に行こう。という話をしました」まずは第一関門をクリアできたことに安堵している、と川上選手は言います。川上選手も今大会で競技引退ということで、ラストレースにどれだけの思いが込められているか、とても伝わるエピソードでした。

その後の男子100m決勝では、山田選手が10秒45で2位表彰台入り、尾澤選手が10秒53で4位入賞を果たしました。コンディションの良くない状態で挑んだという山田選手は、決勝2位という結果に、「調子の悪い状態で出た結果なので、素直に嬉しいです」と喜びを露わにしました。山田選手は大学卒業後も競技を継続するということで、今後の目標について尋ねると「自分は100mで全国入賞したことがないので、これから3、4年以内にそれを達成したいです」と話します。

一方、尾澤選手は、「昨日よりやはり疲労が溜まっていて、状態は悪かったです。でも、この試合で最後なので、どうなっても良いという気持ちで挑みました。明日の200mも頑張ります」と話してくれました。
最終日3日目、200m準決勝が行われます。24人から8人へと決勝進出者が絞られる過酷なレースでしたが、死力を尽くした3選手は、ともに決勝への進出を果たします。前日100mで2位となった山田選手は「とにかく3人とも楽しんで走ってくれたらいいなと思いながら見ていました。でも、3人とも決勝に行けると決まった時は本当に嬉しくて、飛び跳ねて喜びました」と喜びを語ってくれました。2日目の朝、4人で交わした約束は、無事果たされたのです。
迎えた決勝。結果は、尾澤選手が21秒11で4位入賞、横山選手が21秒14で6位入賞、川上選手は21秒33で7位入賞でした。

今シーズン、6月に行われた全日本インカレでは3位入賞、8月31日に行われた近畿選手権では20秒66の記録をマークし、東海学生記録を樹立したばかりの横山選手は、「優勝だけを目指して練習してきた中で、調整ミスと力不足で負けてしまったので、仕方がない結果なのかなと思います」と、この結果に悔しさを見せます。しかし、「自分は社会人になっても競技を継続するので、まずは20秒台を安定して出せるように、そしてゆくゆくは日本代表に選出されるように頑張っていきたいと思います」と、今後の展望も話してくれました。

喜びも悔しさも、それぞれ味わうこととなった4選手。しかし、それぞれの活躍もあり、中京大学陸上競技部は、男子総合優勝2連覇を達成しました。
山田選手と横山選手は、つづく社会人での競技人生に向けて、尾澤選手と川上選手は競技人生の終わりとして迎えたこの大会。4人が見せたたくましい背中と思いは、後輩たちへと受け継がれていくに違いありません。それぞれの未来に向けて、新たなステージがこれから始まろうとしています。
企画?制作 学生広報スタッフ「ライト」
- 文:宇都亜衣菜(文学部2年)
- 写真:岡田美虹(スポーツ科学部3年) 宇都亜衣菜(文学部2年)